<ライブ> フリクション@代官山UNIT [イベント]
1月10日に代官山UNITでFrictionのライブがあった。
昨年から「行きます」と約束していたのだが、調べてみると夜中のイベントで外はとても寒い。Frictionは12時30分からとのこと。兎に角出かける。
2人のフリクションを観るのは2回目。今回のライブは『軋轢』からの曲!!を中心にカバーも数曲。お二人の本当に真剣かつ緊密なインタープレイが素晴らしく、リズムはあくまでタイト、1曲目が終わった時、柄にもなく思わず叫ぶ!
セッション的でありながら決め所はビシッと決まり、ステージ上も客もどんどんハイに。前回は若干重低音に物足りなさを感じていたが、今回、一挙解消。ライ
ブをどんどんやれば客がドッと増えそうな…などと、日本のロック史に巨大な足跡を残しているフリクションに対してまるで新人バンドのA&Rの様な
感想だが、今のフリクションは本当に新しいバンドだ。2人組という最小限のユニットになり、かつての曲も全て新しく聴こえる。このユニットになって、自分
が実はフリクションのリズムを偏愛していたことに改めて気づいた。
終演後挨拶に行くと「ステージ上に酸素が足りない」とのお言葉。
バファロー・ドーターも観たかったが「3時半ごろからでは?」とのこと、風邪をひいていたので断念。
昨年、「『4 HANDS』をNYのリンカーン・センターで上映しないか」と、NYフィルム・ソサエティーのプログラム・ディレクター氏から直々にお話を戴いた。いったいどんな人が選んでくれたのだろうと興味津々、彼が来日した折りに話してみるとリアルタイムで75、76年のNYのシーンを体験していた方であった。「兎に角すべてが変わった」時代だったとのこと。ipodにはコントーションズの曲、曰く「『No New York』が好きだ」(もちろんそれだけではないでしょうが…)リディア・ランチも現役でパフォーマンスをやっている。CBGBは今やマクドナルドだ…などなど。
前置きが長くなったが、『 軋轢 』を『 No New York』(ブライアン・イーノ・プロデュース)と並べて聴くと当時のフリクションがいかにNYと地続きだったのかが良く解る(一緒にやっていたのだから当然といえば当然ですが…) 。NYパンクはパンクといってもロンドンとは異なり、強いていうと、アートの匂いのする音楽だった。彼らのアイドルがルー・リード、ルー・リードのアイドルがセシル・テイラーやオーネット・コールマンという系譜になる。セシルのアイドルの話まで遡るとこれは19世紀後半からの話しになり…
で、いったいこれは何の話しなのかというと、『軋轢』をそういう文脈の中に位置づけて聴くとまた面白いのではないか?とぼくは思う。かといって、一方的にNY的なものだと言いたいのではなく、レック氏が『No New York」の一団とプレイしていたからこそ、彼らの音楽もああなっているのである。クレオール的というと語弊があるかもしれないが、70年代後半に起こった“衝突”、“軋轢”から『No New York』『軋轢』という2枚のアルバムが生まれた。と、リンカーン・センターのディレクターの話を聞き、2枚続けて聴き直してみてあらためて感じた次第。
フリクション再始動。マキシ・シングルが近々発売予定とのこと。アルバムはいつでしょう?
- アーティスト:V.A(マーズ、DNA、コントーションズ、他)
- 出版社/メーカー: Lilith
- 発売日: 2005/11/22
- メディア: CD(US IMPORT)
- No New York [12 inch Analog]
※アナログ盤(UK盤)あり
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