【Super Butter Dog-4】外出中(2) [音楽]
(【Super Butter Dog-4】外出中(1)より続く)
この後、「5秒前の午後」と「アサガオ記念日」のデモテープを作るところまで付き合い、バタードッグは事務所移籍となったので、そこまでが僕の責任範囲だ。
「外出中」「コード」「ティップ・ティップ」「5秒前の午後」「アサガオ記念日」が同時期の作品で、ひとつのまとまりになっていると思っている。次のシングルに予定していた「5秒前の午後」は、言って見ればトモヒコの歌。トモヒコくんは当時、ノストラダムスの大予言が当たって1999年で地球はなくなると信じていた。「だからバンドをやめたい」という相談を受け、「バンドやめてどうするの?」と尋ねると、「どうせ死ぬならアムステルダムでトビながら死にたい」と。「どうせ死ぬつもりだったら、日本でもトビながら死ねるじゃないか?」というと、「やっぱり安心してトビながら死にたい」と、結構現実的な話しだった。
「5秒前の午後」に関しては、デモテープの段階ではブリッジの部分ができていなかったので、「アムステルダムでトビながら死ぬ男」の物語をラップで入れるのはどうだろう?と、少なくともトモヒコとは話した記憶がある。当時ジブラ氏のリミックスを竹内くんがやっていたので、ラッパーとコラボも良いと思ったし、ビデオはアムステルダムロケもいいな〜と思っていた。冒頭トモヒコが運河を泳いでいるカットから始まる。THE WHOの「四重人格」の中に入っているブックレット(これをベースに映画「さらば青春の光」ができた)のような雰囲気で、ストーリーが展開。地球が終わろうがどうなろうが、「自分という謎」は解決しないと気づいたトモヒコが、アムステルダムの運河の前で「気狂いピエロ」のフェルディナンのように、顔にダイナマイトを巻いて導火線に火をつけるのだが、5秒前に「こんな死があっていいわけがない」と後悔し火を消そうとする。が、爆発。地球は終わらない…。総製作費1億円ぐらいか?
ここまで書いてきて気づくのは、全部何かのパクリや引用をやろうとしている…ということだ。軽薄にもパクリをやろうとした結果、別物ができる。「全ての映画が撮られてしまった後」、その地点から既に半世紀である。
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「外出中」
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text by Y
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