【Super Butter Dog-5】まわれダイアル(1) [音楽]
(この記事は、1/15「ハナレグミ“LOVE GUITAR” @SHIBUYA-AX」の続きです)
Super Butter Dogのミュージックビデオについて書くシリーズ。今回の作品は「まわれダイアル」だ。
電話というものは離れた空間を結ぶ機能をもっているが、そこで根源的に「リアルとは何か?」という問題が浮かびあがる。(ふつうはそんなことは考えませんが…。)
誰かから電話がかかってきたとして、それが果たしてリアルな誰かなのか? リアルであることを自明として電話は成立しているが、実はそうではなく、それはひとつのフィクションなのだと考え出すとおかしな世界に突入する。
このビデオの場合、トモヒコのもとに、たとえば、ジェームス・ブラウンから電話がかかってくる。トモヒコはそれを友人に話すのだが、信じてもらえない。信じてもらえないために、再度かかって来た時に会う約束を取り付けようと思い、その時に備え英語の練習をし、話し方のシミュレーションをする。そしていよいよジェームス・ブラウンから電話がかかってきて、JBが会おうと言った場所に信じてくれない友人をつれて駆けつけてみると、そこには電話だけがあった。「俺は信じないね」と言われても、本人的にリアルであればそれはそれで成立する。解り易く今風に言えば「オレオレ詐欺」のようなプロットだ...とすると、せっかくのビデオがつまらなく見えるから不思議だ。こういうものは「あ〜、そういう話」的な理解をされるとすごくつまらなくなるものである。
この前年、エリック・ロメールの「友達の恋人」の舞台となったパリ郊外のニュータウンCergy-Pontoiseを見に行った。そこの広場に巨大な白いオベリスクが立っていて、解説によるとコンコルド広場のオベリスクと凱旋門、新凱旋門をつなぐ直線の延長線上、つまりシャンゼリゼの延長線上にそのオベリスクを建設したらしい(今グーグルマップで見直してみると明らかにずれているので、記憶違いだったのかもしれないが…)。
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text by Y
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